横浜市港北区の会社破産
ケース紹介
横浜市港北区の会社破産
債権者数約 26社
負債総額約 4000万円
横浜市港北区でエアコン取付工事業を営んでいた会社が、代表者の病気による売上減少と資金繰り悪化をきっかけに法人破産へ至った事例です。
預金差押えの危険が迫る中で準自己破産を選択し、会社の清算と代表者個人の生活再建を分けて進めた対応を紹介します。
この記事は、
- 体調不良で事業継続に不安がある経営者
- 法人破産と個人保証の整理を検討している方
という人に役立つ内容です。
横浜市港北区の法人破産事例
「体調さえ戻れば、また現場に出られるはずだ」
そう思いながら無理を重ね、気づけば会社の借金だけが膨らんでいた。
そんな経験をされた経営者の方は、決して少なくありません。
今回ご紹介するのは、横浜市港北区でエアコン取付工事業を営んでいたA社の法人破産の事例です。
個人事業から法人化して10年ほど順調に売上を伸ばしていた会社が、社長の病気をきっかけに資金繰りに行き詰まり、最終的に破産に至った経緯と、当事務所がどのように対応したかをご紹介します。

個人事業から法人化した工事会社
A社は、大手設備会社の下請けとしてエアコンの取付工事を請け負う会社でした。もともとは代表者様お一人による個人事業でしたが、平成25年に法人化しています。
設立当初はアルバイト1人を雇う程度の規模で、年間売上は1,700万円ほど。3年目ごろから下請け業者を使うようになり、売上は3,000万円から4,000万円規模まで拡大しました。
ただし下請けへの支払いも増えるため、増えた利益は年間200万円から300万円程度にとどまっていました。
代表者の病気で売上減
転機は令和元年でした。代表者様が手術を受けることになったのです。
2度手術を受けても完治せず、体調によっては現場に出られない日がある状態が続きました。
もともとが個人事業からの法人化であえり、代表者様自身が現場に出てこそ売上が立つビジネスでした。職人的な属人的な売上によるビジネスだったのです。
代表者が稼働できない日が増えるほど、そのまま売上減少に直結しました。借入れで運転資金をつなぎながら踏ん張ったものの、体調が回復する見込みは立たず、会社を建て直すめども立ちません。

5年後、代表者様は会社を畳む決断をしました。
これは特別な事情というより、一人親方型の個人事業から法人化した会社に共通するリスクです。
社長自身が働けなくなった瞬間、会社の収益が止まってしまうため、健康問題がそのまま経営問題に直結しやすい業種だといえます。
内装・リフォーム、水回りの工事事業者などでも同じような事例は出ています。
今回の事例では、代表者様は働き盛りの年代だったのですが、代表者が高齢化していると健康問題による法人破産はより起きやすくなります。
段階的な対応と準自己破産
当事務所への最初のご相談では、負債の状況を整理しながら、判明した債権者に順次受任通知(弁護士が債務整理を受任したことを知らせる通知)を送付し、対応を進めていきました。
工事代金の入金や下請け報酬の支払いが続く中での整理だったため、債権者の整理もうまくできておらず、半年以上にわたり、新たな債権者が判明する状態でした。その都度、段階的に受任通知を送る形となりました。
その後、状況が大きく動きました。取引のあった金融機関による預金差押えの可能性が判明したのです。差し押さえられてしまうと、破産管財人に引き継ぐべき現金が失われ、手続き自体に支障が出かねません。

通常、法人の破産申立てには取締役全員の同意書が必要です。
A社には代表者様のほかに、非常勤の取締役が登記されていました。しかし差押えの危険が迫る中、取締役の同意書を取得してから申し立てる時間の余裕はありませんでした。
そこで、代表者様の判断で先に破産を申し立てる「準自己破産」という方法を選択しました。
取締役の同意がまだ整っていない段階でも、代表取締役の判断で緊急に申立てを行える手続きです。

なお、その後、同意書は、申立て後に追って提出しています。同意していないわけではなく、単に取得が間に合わなかっただけであることも、裁判所には別途報告しました。
申立てから手続き終了までの期間
申立て時点での負債は、26名の債権者に対して約4,050万円でした。
破産管財人には現金20万円を引き継いでいます。
申立て後は破産管財人による調査が行われました。事務所や資材置き場はすでに明け渡し済みで、従業員も事業停止時点で雇用がなかったため、労働債権をめぐる問題は生じませんでした。
調査の結果、破産財団を構成する換価可能な資産がなく、債権者への配当原資もないと判断されています。
申立から約4ヶ月後、債権者集会が開かれ、同日付で破産手続廃止(異時廃止)の決定が出されました。
申立てから終結まで、およそ4か月という期間での解決です。
なお、代表者様個人に残る保証債務等については、別途、個人再生の手続きで解決しています。
会社の清算と社長個人の生活再建は別の問題であり、自宅もあったことなどから、それぞれに合った手続きを組み合わせて対応しました。

このケースから分かるポイント
【ポイント1】経営者本人の健康は、経営そのものを支える資産です
一人親方型の工事業では、社長が動けなくなることがそのまま売上減少につながります。体調に不安が出てきた時点で、資金繰りへの影響を早めに想定しておくことが重要です。
【ポイント2】差押えの兆候が見えたら、書類が揃うのを待たず動く選択肢があります
取締役全員の同意書が整うまで待っていては、財産の保全が間に合わないことがあります。「準自己破産」という形で先に申立てを行い、同意書は後から追完するという進め方が可能です。一般的には、取締役の所在が不明、連絡が取れないなどの事態で使われる手続きですが、とりあえず申立を急ぐ場合にも活用できます。
【ポイント3】会社の破産と社長個人の借金は別の手続きです
法人が破産しても、代表者個人の保証債務は自動的には消えません。今回のケースでも、法人破産と並行して代表者様個人の個人再生を見据えて対応しています。
【ポイント4】横浜市内の企業からのご相談にも対応しています
当事務所は厚木市に拠点を置いていますが、横浜市港北区をはじめ横浜市内の事業者様からのご依頼にも数多く対応してきました。
管轄が横浜地方裁判所となる案件についても、申立てから手続き終了まで一貫してサポートしています。
横浜駅前事務所での相談も多くあります。今回の事例でも、横浜駅前事務所での対応となっています。
まとめ
体調不良や病気は、経営者本人にはどうにもできない事情でありながら、会社の資金繰りに直接影響します。
今回の事例では、約4,050万円の負債を抱えた横浜市港北区の工事会社について、差押えの危険が迫る中で「準自己破産」という手段を用いて迅速に申立てを行い、申立てから4か月という期間で手続きを終了させました。
「体調が理由で仕事が続けられない」「差押えの通知が来て、もう時間がないかもしれない」
そうしたお悩みを抱えている横浜市内の経営者様は、一人で抱え込まず、早めにご相談ください。会社の状況によって取れる手段は変わりますが、動くのが早いほど選べる選択肢は多くなります。

法人破産のご相談は、以下のボタンよりお申し込みください。













