設立してから間もないタイミングでの会社・法人破産の事例。

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設立間もない会社破産

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ケース紹介

 

設立間もない会社破産

債権者数約 2社

負債総額約 250万円


設立間もない会社でも、支払不能の状態であれば法人破産を申し立てられます。

この記事では、決算書がない場合の代替資料、資産がほぼない場合の手続き、廃業後に時間が経ったケース、代表者個人の借金への影響について、実際の事例をもとに解説します。

この記事は、

  • 設立直後に資金繰りが悪化し、法人破産を検討している経営者
  • 決算書や帳簿が不十分で申立てできるか不安な会社代表者

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2026.7.6

設立間もない会社の倒産

「会社を設立したばかりなのにもう限界…決算書もないし、弁護士に相談していいのだろうか」

そんな不安を抱えているあなたへ。

設立間もない会社でも、決算書がなくても、法人破産は申立てできます。

この記事では以下のことがわかります。

・設立間もない会社が倒産(法人破産)できるかどうか
・決算書がない場合の対処法
・廃業してから時間が経っていても申立てできるか
・資産がない場合の手続き(同時廃止・少額管財)
・実際の事例(神奈川県内・匿名)をもとにした具体的な流れ
・代表者個人の借金への影響

 

設立間もない会社が「倒産」

結論としては、設立期間・決算回数に関係なく申立てできます

法人破産の申立てに、「設立から何年以上」「決算を何回以上」という要件はありません。

事業を始めて数ヶ月で経営が行き詰まった場合でも、一度も決算をしていなくても、「支払いが困難な状態(支払不能)」であれば、裁判所に破産を申し立てることができます。

会社設立直後でも法人破産できる条件

法人破産のよくある誤解

【誤解①】決算書がないと申立てできない
→ 試算表・帳簿・通帳で代替できます。

【誤解②】設立1年以内は申立てできない
→ 設立期間の制限はありません。

【誤解③】資産がゼロだと破産できない
→ 資産なしでも申立て可能です。資産がない場合は支払不能の要件を満たしやすいです。

【誤解④】まず税務申告を済ませなければならない
→ 申告前でも申立て可能です。

【誤解⑤】廃業してから時間が経つと申立てできない
→ 期限はありません。ただし早めの相談をお勧めします。

法人破産でよくある誤解と真実

短期廃業の法人破産:一般的な注意点

通常の法人破産では、裁判所への申立書類として直近2~3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書等)の添付が求められます。

しかし設立初年度に廃業した場合は、そもそも決算書が存在しません。この場合は以下の書類で代替します。

・試算表(月次ベースで作成した簡易な財務データ)
・帳簿類(売上・仕入れの記録)
・通帳のコピー(銀行口座の入出金履歴)
・クレジットカード明細・ローン契約書等

弁護士が裁判所に事情を説明したうえで申立てを進めることができます。

法人破産で決算書がない場合の代替資料

破産手続での決算書の目的

法人の破産手続で決算書を提出する理由としては、支払い不能になった経緯の確認として損益計算書での損失額などを見る、他に財産の調査のため貸借対照表を確認するというものがあります。

一度も決算をしていない中で破産手続きを適正に認めてもらうためには、これらの点の説明を別の資料でできれば良いことになります。

決算をしていない場合、そもそも税理士もついていない、会計処理もまともにできていないことも多いので、通帳などから適切な説明をしていく必要が出てきます。

税理士が入っての決算よりは、預金口座から出金した現金の使途などを厳しく問われる可能性はありますので、領収書で適切に説明するなどのフォローが必要になってきます。

資産がない法人破産

設立間もない会社が破産する場合、財産(資産)がほぼない状態であることがほとんどです。

個人の場合には、財産がないと同時廃止という簡単な手続きもありますが、法人の場合には、財産がなくても管財事件になります。

管財事件は、破産管財人が選任され、財産の調査・換価・配当を行います。費用・期間ともに多めになります。

同時廃止は、財産も調査の必要もないため破産開始と同時に手続を廃止する手続きです。費用・期間ともに少なくて済みます。

なお、管財事件のなかでは少額管財手続きがあります。
財産は少ないものの管財人を選任して調査のみ行います。管財事件より安価・短期で済み、近年増加しています。

資産がない法人破産と少額管財手続き

廃業後に時間が経っていても大丈夫?

「会社はすでに閉めているが、法人格はそのまま残っている」という状態の経営者は少なくありません。

廃業後に数年が経過していても、法人破産の申立てに期限はありません。

ただし、時間が経過するほど以下のデメリットが生じる場合があります。

・書類(帳簿・通帳・契約書等)の収集が難しくなる
・弁護士費用の準備に時間がかかる
・債権者から訴訟・差押えなどの法的手続きを取られるリスクが高まる

廃業後に時間が経った法人破産の注意点

法人破産の基本的な流れ

設立間もない会社の法人破産も、基本的な流れは通常の法人破産と同様です。

① 弁護士への相談・依頼
状況を整理し、法人破産が適切かを判断します。

② 受任通知の送付
弁護士が債権者全員に「受任した」旨を通知します。以降、債権者は直接連絡できなくなります。

③ 申立書類の準備
試算表・帳簿・債権者一覧表・財産目録・陳述書などを作成します。

④ 裁判所へ破産申立て
管轄の地方裁判所に申立てを行います。

⑤ 破産手続開始決定
裁判所が審査・決定します。管財人が選任される場合はここで決まります。

⑥ 管財人による調査
管財人に資料の引き継ぎ、面談などを実施します。

⑦ 破産廃止決定
資産がなく配当できない場合に廃止となります。これで法人は消滅します。

法人破産の手続きの流れ

法人破産に「免責」はない

個人の自己破産では「免責」(借金がゼロになる)という手続がありますが、法人破産には免責という概念はありません。法人は破産手続の完了により「消滅」します。

代表者(社長)個人への影響

法人破産をしても、代表者個人の借金は自動的には消えません。

特に、設立間もない会社の経営者は、開業資金のローンを保証していたり、会社の運転資金を個人名義のカードローン・消費者金融・銀行ローンなどで賄っていたケースが多く、法人破産とは別に個人の債務整理が必要になることがあります。

個人の自己破産 または 個人再生などで解決することが多いです。

個人保証なし・個人借入もない場合には、法人破産のみで対応可能、個人の借入が少額でまだ返済できる場合には、返済継続や任意整理で進めることもあります。

法人と個人の両方の手続きが必要な場合でも、一つの弁護士事務所でまとめて対応できます。同時に相談することで、スムーズに手続きが進みます。

法人破産と代表者個人の借金の違い

実際の事例紹介(神奈川県内)

会社形態:株式会社(代表取締役1名・100%オーナー経営の一人会社)
業  種:衣服のネット通販等
廃  業:設立から約8ヶ月
決  算:一度もなし(廃業時の試算表のみ)
主な負債:リース、取引債権、他代表者のローン
弁護士受任:廃業から2年後
申立裁判所:横浜地方裁判所小田原支部

設立8ヶ月で廃業した法人破産の事例

事業が行き詰まるまでの経緯

代表者はもともと衣服の通販を個人で行っていた経験があり、同様のビジネスモデルで子供服の通販会社を設立しました。

インスタグラムを活用して仲介業者経由で韓国・中国から商品を輸入・販売する形で事業を開始しましたが、実際には同業者が多く、より低価格の競合が多数存在していたため、売上はほぼゼロの状態が続きました。

資金不足を補うために代表者個人のカードローンやホームページ制作のローンを組んで運営を続けましたが、売上の改善には至らず、設立から約8ヶ月で廃業を決断しました。

事業モデル選択の失敗といえるでしょう。

廃業から弁護士相談までに約2年かかった理由

廃業後も代表者は自力での返済を続けていましたが、体調不良(入院)により就労が困難になり、その後生活保護を受給するようになりました。

体調回復を待ちながら相談の準備を進め、廃業から約2年後に相談となっています。

廃業してから時間が経っていても、法人破産は申立てできます。

申立時の財産状況

現金・預貯金:わずかのみ(ほぼゼロ)
不動産:なし(事務所はコワーキングスペースを賃借。廃業時に解約済み)
車両・設備・在庫:なし
売掛金・貸付金:なし
決算書:なし(廃業直前の試算表で代替)
従業員:なし(一人会社のため)

手続きの結果

申立後に破産管財人が選任され調査が行われましたが、配当できる資産がないと判断され、令和8年6月に破産廃止決定が出て手続が終了しました。

・設立8ヶ月・一度も決算をしていない会社でも、法人破産の申立てができた
・資産がほぼゼロの状態でも手続きが進み、破産廃止という形で法人を消滅させることができた
・廃業後3年という時間が経過していても申立てが可能だった

売上がほとんどなかったということで、借り入れた現金以外の財産は作りようがなかったことがわかります。そのため決算書類がなくても財産調査には大きな影響がなかったというケースです。

ほとんどの動きは預金明細に記録されており、不正もなかったことから、一回の債権者集会で終了しています。

決算書なし資産なし法人破産の調査結果

「設立したばかりの会社が倒産することになってしまった」という状況は、経営者にとって精神的にも辛いものです。しかし、適切な法的手続きを踏むことで、会社の整理を適正に行い、新たな一歩を踏み出すことができます。

一人で抱え込まず、まずは弁護士にご相談ください。初回相談は無料で承っています。

設立間もない会社の法人破産相談


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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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