藤沢市の会社・法人破産の事例。賃貸借契約の明渡。

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藤沢市の会社破産

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ケース紹介

 

藤沢市の会社破産

債権者数約12社

負債総額約1700万円


藤沢市でエアコンメンテナンスとしていた会社の法人破産相談です。

12社に対して、約1700万円の債務があるとの相談でした。日本政策金融公庫やリース等が主な債権者でした。

繁忙期でも十分な売上がなく、経営続行は難しいと判断したとのことです。本店事務所の明渡をどうするか問題となりました。

今回は、法人破産と賃貸借契約の明渡に関しても合わせて解説します。

この記事は、

    会社破産と賃貸借契約の関係を知りたい
  • 藤沢市で法人破産を検討している

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.6.2

 

法人破産のプロセスとその影響

法人破産は、企業が財政的に破綻し、その負債を全て清算する法的手続きです。

このプロセスは、企業がその負債を返済する能力を失い、裁判所に申し立てをすることで開始されます。

法人破産の手続きは、裁判所の監督の下で行われます。企業の資産は裁判所が選んだ破産管財人に売却され、その収益は債権者に分配されます。

法人破産のプロセスは、企業の経営者や従業員、株主、債権者、およびその他の関係者に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

そこに、企業に不動産を賃貸していた賃貸人も含まれます。

企業が破産をするということは、その不動産は使わなくなるということです。その賃貸借契約がどのように終わるのか、明渡しがどうなるのかがポイントになります。

 

不動産の賃貸借と法人破産

不動産の賃貸借は、企業が事業を行うための場所を確保するための一般的な手段です。

しかし、借り手が法人破産の申立をすると、賃貸借契約はどうなるのでしょうか。

法人破産が申し立てられると、賃貸借契約は終了するのが通常です。

破産手続きが借り手の負債を清算するための手段のため、事業を維持するのではなく、停止することが前提のためです。

 

不動産の賃貸借契約終了のタイミング

不動産の賃貸借契約の終了プロセスは複雑で、複数のパターンがあります。

まず、借り手が破産申立をする前に賃貸借契約を終了させることができます。通常は、賃貸人に対し、明渡をしてから破産申し立てをするパターンです。

賃貸物件に大きな財産がなかったり、支払停止後に速やかに法人破産の申立をするパターンです。

この場合、借り手は賃貸物件を明け渡し、賃貸借契約は終了します。賃貸人としても速やかに明渡を受けることができ、比較的負担が少ない方法です。

これに対して、賃貸借契約を終了させないまま法人破産の申立とするパターンもあります。事業を直ちに止められず、賃貸物件の利用が必要な場合や、賃貸物件の中に財産があり、その処分を裁判所から選ばれた破産管財人に引き継いだ方が良い場合です。

 

破産管財人が選ばれる流れ

法人が倒産する場合、賃借事務所の明渡しは重要な問題となります。

法人破産の申立ての流れは以下のとおりです。

法人が財政的に破綻し、その負債を全て清算するために法人破産の申立てを行います。

この申立ては裁判所に提出され、裁判所は破産手続きの開始を決定します。

破産手続き開始決定と同時に、破産管財人が選ばれます。

破産管財人が企業の財産を管理し、処分する権限を持つようになります。明渡未了であれば、賃貸物件の明渡も破産管財人が行います。

ただし、事案によっては、法人破産の申し立てから破産手続き開始決定までに一定の期間が必要になります。

裁判所が破産管財人を選ぶのに時間がかかることもあるからです。

また、破産管理人が選ばれても、破産管財人は何も情報を持っていないため、すぐに動けません。破産会社や代理人と打ち合わせをして、それから明け渡しの内容を進めることも多いです。

そのため破産管財人による明け渡しの場合には、破産申し立てをしてからも相当の時間がかかると考えておいた方がいいでしょう。

 

明渡しの手続き

賃貸物件がそのままに破産手続き開始決定が出された場合、破産管財人は、賃貸物件内の財産を処分します。

また、リース物件などがあれば引き上げの調整をします。

そのうえで、明渡業者の見積もりをとり、費用対効果が高い業者に発注する流れです。そのタイミングでは、賃貸人と明渡内容について打ち合わせがあるでしょう。

明渡業者による作業後、明渡しの手続きは、賃貸物件の状態を確認し、鍵を返却するなどします。

賃貸人側からすると、このような破産管財人の作業が終わるまでどれぐらいの時間がかかるか読みにくく、新たに借り手を見つける動きに出づらくなります。

 

法人破産の明渡事例

この会社は、大手系列の下請けとして、空調機メンテナンスを行う会社でした。

元々は有限会社として設立した会社ですが、後に株式会社化。
空調機メンテナンスは、空調機の稼働が増える夏と冬に仕事が増えます。

大手系列の仕事がほぼ唯一の取引でした。取引先が集中しているという点がリスクではありました。

それでも、受注があれば問題なく、数年前までは安定した売上でした。

 

経営の悪化

しかし、数年前から、元請大手の発注が、AIによる自動振り分けに変更。

相談者の会社は、技術力を評価され、受注を多く受けられていたのですが、AI振り分けにより、技術力などがあまり考慮されなくなりました。

また、市場を見ても、空調機メンテナンスを行うサービスエンジニア自体が増加していたこともあり、受注件数が減少してしまいました。

経営改善のため、給与体系を、インセンティブ報酬を含むものから、賞与などを支給するものに変更しましたが、従業員に理解されず、モチベーションの低下をまねいてしまいました。そのためか、主力だった従業員から退職者が生じ、新人を採用しましたが完全には穴をうめることはできませんでした。

 

新型コロナウイルス感染症流行に伴う業績の低迷

さらに、新型コロナウイルス感染症流行に伴う緊急事態宣言が出されました。

その後も再度の緊急事態宣言や外出等の自粛が求められる状況が続きました。

作業員の訪問を避けるためか、リモートワークでオフィスの稼働が減ったためか、空調機メンテナンスの仕事も激減。

日本政策金融公庫から当座の運転資金のため、借換分を含め1000万円を借入れ。流行終息まで持ちこたえれば、売上が回復すると考えられたため、この借入で運転資金をつなぐ考えでした。
しかし、売上は一向に回復せず、手元資金がギリギリになってしまいました。

仕事柄、夏が繁忙期の業界ですから、夏に売上が回復すれば会社継続の見込みが立つ一方、売上が回復しなければ営業の継続は困難な状況に。

ところが、8月の繁忙期に、社内で新型コロナウイルス感染者が発生し、隔離が必要となってしまいました。他の従業員等は濃厚接触者にならず、業務が完全に止ることはありませんでしたが、かき入れ時に1人が稼働できず、売上への影響は少なくありませんでした。

夏の売上は、会社を継続するためには不足するものであり、資金繰りの目処もつかないことから、営業の継続を断念し、破産の相談に来たという経緯でした。

 

明渡後の法人破産申立

依頼後、従業員への解雇予告、社労士とのやりとり複数回の対応をおこなったほか、本店の明渡も進めました。

ある程度の明渡費用は準備できたこと、早期に明渡を求められていたこと、本店内の動産も価値が乏しかったことから、明渡を終了させたうえで、法人破産の申立をしたという流れで進めました。

賃貸人にとっては負担が少ない形で進められたということです。

申立まで明渡業務もあったことから、3ヶ月ほどかかっています。

 

解雇予告

事業停止時に、役員以外の従業員は1名となっていました。

従業員には事業停止と破産申立て予定を告げ、解雇予告手当を支払ったうえで解雇手続きを取りました。

解雇予告通知を作り、受領の事実を確定させています。

 

役員貸付金の説明

決算書に役員貸付金がある場合には、補足説明が必要になることが多いです。

法人と代表者との間の金銭のやりとりは審査対象となりやすいです。

今回は、別の取締役に対する役員報酬の支払が遅れた際、代表者が個人資金を法人に入れて、当面の生活費を渡していたとのことでした。

このような入出金記録が複数あったので、個別に説明を報告書に載せています。

 

申し立て前に明け渡しも済んだので、債権者集会は1回のみ開催。申し立てから3ヶ月程度で終了となっています。


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