神奈川県外での会社・法人破産の事例。自己破産の管轄裁判所の解説

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神奈川県外での会社破産

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ケース紹介

 

埼玉県の建築塗装会社

債権者数約6社

負債総額約1000万円


神奈川県外で建築塗装会社を経営していた会社の相談です。

すでに事業を止め、代表者が神奈川県内に転居していたので、実質的には個人破産での相談でジン法律事務所弁護士法人に来たという経緯でした。

この記事は、

  • 自己破産の相談をしたいが引っ越すかも
  • 法人の本店と個人の住所が大きく離れているがどこに相談すれば?

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.4.29

 

個人事業の法人化

代表者は、以前から建築塗装業として稼働。

その後、独立し、個人事業として建築塗装業を開始。

これを法人化した会社でした。

法人化後は、代表者が唯一の取締役でしたが、専ら営業と現場工事を担当。

会社等の経理や自身の家計は当時の交際相手に一任していました。

 

取引先との接待交際費

営業のため、取引先と飲食することも多く、法人の仕入れにも使えるので、クレジットカードを作成し、借入もするようになります。

その後、信用金庫でカードローンを契約し、同庫から借入を行うようにも。

 

社会保険負担

法人化後も仕事量や単価に大きな変動はなかったものの、社会保険に加入する必要がありました。

この負担が増加し、経営が悪化。

そのため、法人は、運転資金と残債務の借換えのため信用金庫から300万円を借り入れ。

社会保険料の負担により、経営状況が悪化してしまうという会社も少なくありません。金額的には税金よりも大きくなりがちなので、資金繰りに注意が必要です。

 

運転資金不足で融資が増える

また、信販会社のローンでWebページを作成し、ネットでの集客を開始。

経営は上向かず、さらに、運転資金500万円を借入れるなどしていきます。

しかし、その後、運転資金の融資をメインバンクの信用金庫から断られ、法人名義で日本政策金融公庫等から融資を受けることに。

それでも法人の資金繰りは苦しく、自身の役員報酬を支払うことができず、むしろ個人として借入を行い、運転資金に使用する状況になってしまいます。

もっとも、当時の交際相手に経理や家計を任せていたことから、代表者がこの状況を知ったのは、かなり末期になってからでした。

経理から、債務の支払いができないことを告げられ、法人の継続を諦め、事業を停止しました。

 

代表者の転居

代表者が神奈川県内に転居していたため、法人破産手続きの依頼を受けました。

しかし、破産申し立て準備中に、代表者が埼玉県に転居。

埼玉での破産申立となってしまうため、委任契約を解除し、地元の弁護士に変更するか確認しましたが、引き続き依頼したいとのことでしたので、そのままジン法律事務所弁護士法人にて破産申し立てをしました。

 

破産手続きの管轄裁判所

管轄裁判所とは、その事件を、どの裁判所で取り扱えるかという問題です。

破産事件の管轄裁判所については、破産法5条に記載されています。

こちらが、国内の裁判所の管轄を規定しています。

裁判所には地方裁判所と家庭裁判所、簡易裁判所があります。破産事件については地方裁判所の管轄になります。

そして管轄裁判所は土地に結びついています。

相続財産破産などという特殊なケースを除けば、債務者が、会社や自営業者のように営業者であるときには、その主たる営業所の所在地が管轄裁判所になります。

営業者でないときは、営業者であっても営業所を有しないときには、普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が原則的な管轄裁判所となります。

営業所を持っているかどうかがポイントになります。

 

主たる営業所、普通裁判籍とは

主たる営業所とは、通常は、本店を意味します。
この本店については、形式を重視するのが実質を重視するのか争いがあります。

登記上の本店所在地に事務所でもあれば、そちらを管轄する地方裁判所に申し立てをすることになります。

 

普通裁判籍とは、民事訴訟法4条で決められています。

個人の場合には、まず住所地となります。住所がないとき、これが知れないときには居所となります。

 

土地管轄の拡大

これらの例外として、土地管轄が拡大されることがあります。

たとえば、複数の事件をバラバラの裁判所でに取り扱うと問題になるケースもあります。

そこで、破産者等の倒産処理が行われている主体と経済的に密接な関係に立つものについては、その倒産事件を取り扱う裁判所と同一の裁判所で取り扱うことができるとされています。

同一の破産管財人を選任した方が良いようなケースでは、どの裁判所でも取り扱いができるということです。

 

法律では、破産事件等が係属していることを要件としていますが、申し立てさえ受理されれば係属を生ずるので、事実上同時に申し立てをすることもできます。

 

大規模な破産事件は、大きな裁判所で

また、大規模な破産事件については特殊な管轄が設けられています。

破産債権者の数が500人以上であるようなときには、高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所でも破産手続きを取り扱えるとされます。

関東で言えば、東京高等裁判所の所在地を管轄する東京地方裁判所への申し立てができるということです。

また、債権者の数は1000人以上であるときには、東京地裁や大阪地裁に管轄が認められています。

 

自己破産準備中の転居と管轄裁判所

このように、法人の破産や、代表者の自己破産手続きは、管轄の規定があります。

今回のケースでは、法人の本店所在地に事務所等はなかったことから、代表者が、神奈川県内に居住していれば、神奈川県で手続きを進めることができる可能性はありました。

しかし、そこから転居されてしまったので、神奈川県内では申し立てをする根拠がなくなってしまったという事情です。

このように、自己破産の依頼後、転居してしまった場合には、対応裁判所が変わってしまうこともあります。

対応裁判所が変わると、出張費や交通費等が膨らむことが多いので、その費用を負担するのか、または弁護士を変えるのかという選択を迫られることになります。

そのため、転居予定されているようなケースでは、当社の弁護士の依頼をどこでするのかというところを検討した方が良いと思われます。

今回の件では、複数回の出張を行い、最終的には法人手続きについても破産手続きが終了し、個人についても免責許可が出ています。

 

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