厚木市での会社破産
ケース紹介
厚木市内の中古車販売会社
債権者数約30社
負債総額約8000万円
神奈川県厚木市内で中古車販売等をしていた会社です。
金融機関への返済のほか、顧客とのトラブルも抱えての相談となりました。
個人事業を法人化
中古販売業ですが、もとは親族の個人事業でした。
これを法人化し、屋号を引き継いで会社名として、使用しました。
業務は、自動車の販売・買取とそれに付随するものです。
代表者は、親族の仕事を手伝うようになりました。
もっとも、親族は他にも会社を経営しており、この事業については専ら代表者が経営。
法人化の際、親族も共同代表、出資者となりましたが、会社の経営に関わることは少なく、のちに代表者から外れました。
販路拡大の運転資金
中古車販売という事業の性質上、仕入れ資金を中心とした運転資金が必要となります。
法人化後も、売上は順調に増加していました。
更に売上げを伸ばすため、海外に販路を広げようとしました。
法人化直後の決算が良かったことから、運転資金として地元の信用金庫から借入れをすることができました。この資金は、主に、国内外で販売する中古車の仕入れ代金に使用。
輸出事業の失敗
元々、中古車情報サイトなどを経由して、海外からの問い合わせがあり、その都度海外に販売していました。
海外に直接販売すれば利幅が大きいと考え、申立会社で輸出を試みましたが、現地で法改正があり、数回輸出しただけで断念。
このような活動をしていたところ、外国人から、共同で輸出事業をしないかとの打診がありました。
その提案は、同人のノウハウを利用して中古車を直接輸出するとともに、日本国内で自動車解体事業を立ち上げて部品等も輸出するものでした。
中古車輸出が上手くいっていなかったこともあり、この提案に乗りました。
しかし、これが詐欺。
仕入れ代金や解体業の立ち上げ資金として数百万円を預けましたが、そのまま行方不明となり、預けた資金は戻ってきませんでした。
会社は、売り上げこそ増加していましたが、利幅が小さく、利益はさほど出ていませんでした。その状況下で、上記トラブルなどがあり、会社の資金繰りは厳しい状況に。
他社からの借入れも行いました。
店舗閉鎖
その後、業績も悪化。
資金繰りは厳しく、次第に支払いが滞るようになりました。
事務所の賃料も支払うことができず、賃貸人から立退きを求められました。
賃料を支払うあてもなかったため、事務所の退去に応じました。また、雇っていた従業員は、このときにまでに全員辞めてもらいました。
事務所退去に伴い、中古車販売等の事業を一旦は停止しました。
しかし、知人から、資金を出すので中古車販売をしないかとの話があり、再開することにしました。
ここで、細かい取り決めはせず、共同事業なのか販売委託なのかは曖昧なまま中古車販売を再開。
知人との精算でトラブルとなり、顧客にも波及。
事業継続ができなくなってしまいました。
最終決算もできず
このように、事業自体がゴタゴタしていたことや、税理士との間でも、不信感などがあり、最終決算ができていない状態でした。
破産会社の中には、このように最終決算ができずに、破産申し立てをせざるを得ないケースも多いです。
このような場合には、過去の決算状況からの変化等を預金通帳などから追いかけていく必要があります。
そのため、通帳の入出金名目などを通常以上にしっかり説明する必要がありました。
代表者の感覚では、年間1000万円以上の赤字経営だったとのことでした。
帳簿もなし
税理士がついておらず、決算もできていないような会社では、帳簿の記録もされていないことがほとんどです。
家族でも、経理がいればまだ良いですが、そのような人物もいないことが多く、決算を再現するのも困難ということが多いです。
そうすると、調査としては通帳ベースとなります。
管財人の調査としては、使途不明金がないか、財産を隠していないか調査することになるので、通帳からの多額の出金は調査対象となります。
10万円単位の出金が、経営破綻に近いところであれば、それは細かく追及されますし、資料の提出を求められます。
破産になるような会社で債権者とトラブルがあると、混乱状態にあり、正確に記憶が残っていないことも少なくありません。
合理的な説明ができない場合、代表取締役個人の通帳との照合以外に、家族の預金通帳などの提出を求められることもあります。
本件においても、顧客とのトラブルなどもあり、細かな調査が行われました。
特に目立った財産はない会社でしたが、申立から手続き終了までは約6ヶ月という事件でした。
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