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印刷業の会社破産

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ケース紹介

 

印刷業の会社破産

債権者数約30社

負債総額約5400万円


平塚市にある法人からの相談でした。
30社5400万円の債務があり、支払ができないとのこと。
保証協会、公庫が4500万円という融資債務が大部分を占める内容でした。

印刷業がうまくいかなかったとのことで、印刷業の法人破産の特徴もあわせて解説します。

この記事は、

    印刷業の経営が厳しい
  • 明渡後に法人破産を検討している

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.7.13

 

印刷業界の現状

印刷業界は長い間、情報伝達と広告の主要な手段として存在してきました。

しかし、デジタルメディアの台頭により、印刷業界は厳しい状況に直面しています。特に、新聞や雑誌などの印刷物の需要が減少していることが、業界全体に影響を及ぼしています。

また、環境保護の観点から、印刷業界は持続可能なプラクティスを採用する必要があります。これには、環境に優しいインクや紙を使用すること、エネルギー効率の良い機器を使用することなどが含まれます。

さらに、印刷業界は競争が激しく、価格競争が厳しいため、利益率が低くなっています。

これにより、多くの印刷会社が経営難に陥り、倒産するケースが増えています。

 

倒産の背後にある要因

印刷業界の倒産が増加している背後には、いくつかの要因があります。

まず、デジタルメディアの台頭により、印刷物の需要が減少していることです。これにより、印刷会社の収益が減少し、経営が困難になっています。

また、印刷業界は高い固定費を抱えており、これが利益率を圧迫しています。特に、印刷機械の購入やメンテナンスには高額な費用がかかります。

さらに、印刷業界は、環境保護法や労働法などの法規制の影響を受けやすく、これが経営に追加の負担をかけています。

これらの要因を考慮すると、印刷業界の企業は、経営の効率化やコスト削減、新しい収益源の開拓など、さまざまな戦略を探求する必要があります。

印刷業の破産

印刷業における会社破産の特徴

印刷業界での法人破産事例も多くあります。

特に印刷業界独自の問題点について検討していきます。


まず、多くの現物資産を抱える点があります。

印刷業界の企業は、工具や機材、什器、備品など、多くの現物資産を所有しています。

これらは、会社が破産すると、原則としてすべて換価処分の対象となり、現金化されます。

次に、工場の明渡などの問題もあります。機械類が老朽化している場合には、撤去費用、明渡費用が高額となり、法人破産にも多額の費用がかかることになります。

 

機械類についての担保・リース

大型の機械については、重い負担を背負う譲渡担保が設定されていることもあります。

この場合、換価処分から得た金銭は、まずその担保の被担保債権額が優先的に譲渡担保権者に弁済され、残った金額が破産財団に組み入れられます。機械そのものの財産価値があっても、担保に取られているのでは、財産としてカウントしにくくなります。

また、リース物件の場合、所有権者が物件を引き上げることになります。借りた物を返すようなものです。さらに、リース期間中での解約によりリース債権が債権者となるのが通常です。リース物件は、財産価値があるとはいえないものでしょう。

 

代表者の連帯保証

大型機械の購入代金やリース契約には、しばしば代表者などの連帯保証がついています。

とくに、リース会社では、保証債務がついているのが一般的です。そのため、法人破産とあわせて、代表者自身の何らかの借金整理が必要になります。

あわせて自己破産をしたり、自宅を守るために個人再生を利用したりと、法的な手続きによって解決する事例が多いです。

 

印刷会社の売掛金

売掛金や貸付金などの債権も、会社の財産・資産です。これらは、破産財団に組み入れられます。

印刷業の場合、比較的、同じ取引先との継続的な取引が多いです。そのため、法人の自己破産を考える際には、今後の売掛金回収額のシミュレーションをしたうえで、裁判所への予納金などをどのタイミングで捻出するかを検討する必要があります。

これらの売掛金を差し押さえられないように動く必要もあるでしょう。

税金や社会保険料の滞納によって差し押さえされてしまう事例も多いです。

 

今回の印刷業界の法人破産事例を見ていきます。


会社破産に至った経緯

この会社は、個人事業として行っていた建築業を法人化した会社でした。建築業は好調でした。
その年のうちに、日本政策金融公庫から借入を行い、印刷業も開始。ただ、印刷業は中々軌道に乗らず、赤字続きでした。

新たに倉庫を借りて印刷の仕事を拡大し、てこ入れを図りました。それでも印刷業は赤字のままでしたが、会社の経営に影響があるほどの赤字ではありませんでした。

しかし、新型コロナウイルス感染症流行に伴う緊急事態宣言が発令。これにより、スーパーマーケットが折り込みチラシを自粛したり、旅行代理店がパンフレット作成を減したりしたため、印刷業の売上は著しく減少。

そのため、大きく投資していた印刷業から撤退せざるを得なくなってしまいます。

その後、建築業に集中することで経営を維持できないか努力するも、残った取引先からは取引を切られ、資金繰りが続かず、破産の相談に来ました。

 

賃借物件について明渡済みの状態での法人破産申立となりました。

財産としても、機械類等もすでに処分済みであったため、わずかな預金のみでした。

申立後、債権者集会も1回で終了となっています。


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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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